そい じょ 

川崎さとみのプライベートブログです。 

シエラレオネ 出産の悲劇

 今月号のDAYS JAPANが届いた。

第5回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞受賞の特集号で、最終審査会の様子を思い出しながら読んだ。

審査会の日は本当に気持ちが凹んだのだった。

 

 撮影者の心情や作品の背景は、こうして特集号を読んでみないと詳しくは判らない。

審査時のキャプションは、とても短く纏められていたからだ。

どの写真も、胸塞がるものばかりだが、特に注目したのは大賞2位になった“シエラレオネ 出産の悲劇”である。

http://www.daysjapan.net/taishou/index2.html

 

p20_国連によれば、「生涯に妊娠・出産で死亡する危険」はシエラレオネでは8回に1回、アメリカなら4800回に1回、アイルランドなら4万8000回に1回。この陰険な殺戮を、世界は知らない。

出産による死は、基礎的な医療が施されれば防げるはずだ。

 

 ちなみに日本は世界一、安全な出産が出来る国らしい。自分が娘を出産した時のことを思い出した。

16年前に、私は道に迷って偶然行く事になった産婦人科の医師に「計画麻酔分娩」という出産方法を勧められた。

 

 自然分娩以外考えになかった私に、その医師は、「出産時に何がしかの事故が起きるのは1000人に1人位です。でも、あなたがその1人ではない、と言い切ることは出来ない。うちは死産ゼロなのです。」と言った。

また、「医学が発達した現代、抜歯にさえ麻酔を使うというのに、出産だけは自然であるべし、という風潮は間違っています。人命が掛かっているのですよ」とも。

 

 「はぁ・・、夫にも相談してみます」と帰宅し、彼曰く「自分が産む訳ではないから、痛くない方がいいに決まっている」の返事で、「計画麻酔分娩」たる聞いたこともない出産法を選んだ。

 

 当時、都内の個人医で、その技術を持っている病院は数箇所だけで、私はそうとは知らず巡り合ったのだった。

そして、私は、自分がまさしくその「1000人の1人」であるとは気付かずに、出産日まで無事に過ごした。

 

 胎盤と胎児をつなぐ臍帯に異常があって切れかかっており、子供が体外に出たと同時に切れてしまった。

臍帯は赤ちゃんの命綱だから、生まれ出るよりほんの少しでも早く切れてしまえば、死産である。

自然分娩では、もたない臍帯であった。死産となれば、母体にもダメージは大きかったであろう。

 

 私がその医師にめぐり合ったのは、「安全に産んで欲しい、生まれたい」という娘の意思だったと思っている。

 

 自分の人生の中で、「いつが一番幸せだったか?」と聞かれたら、それはいつでも、「今」だが、それはそうあるべく努力しているからだ。

何の努力も必要なく、湧き出すように幸せだった最高の時間は「妊娠期間」には無い。

それは、迫り来る出産が「絶対に安全」という安心感があってこそだった。

 

 「死ぬかも知れない」という恐怖を抱きながら、出産を待つ妊婦たち・・というのは、私の想像を絶する。

あってはならないことである。