そい じょ 

川崎さとみのプライベートブログです。 

音に依存する私たち

「かもめの叫び」エマニュエル・ラボリ著 を読んだ。

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%8B%E3%82%82%E3%82%81%E3%81%AE%E5%8F%AB%E3%81%B3-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A8%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AB-%E3%83%A9%E3%83%9C%E3%83%AA/dp/404284801X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1254783304&sr=1-1

 

 「聾唖」というハンデを持ちながら、舞台女優として1993年にモリエール賞を獲得したフランス人女性の自叙伝である。

幼児期から青春期の葛藤が入念に綴られている秀作である。

 

 フラメンコという仕事は「音」を基本に成り立っている。

舞踊という「見せる芸能」であると同時に自分自身の身体を楽器として駆使しなければならない「音の芸能」でもある。

音に依存し、音を利用し、音を生み出して踊っている私にとって、音の無い世界というのは、全く想像を絶するものであり、耳からの情報が無ければ一歩も身動き出来ない。

 

 もう、何年も前の事だが耳に障害を持った人が私の教室に入会して来られた。

彼女は、仲間の支えもあって、ちゃんとパルマコントラを打ち、パリージョの3拍子をキチンと打って、セビジャーナスを終了した。

 

 私は、彼女に指導する時「顔を見ながらゆっくりはっきり話す」ということ以外には特に他の生徒さんとの差は付けなかった。

そして、彼女は恐るべき真摯さでフラメンコという「音の芸能」に対峙して、目を瞠るような成果を示してくれたのだった。

 

 人の能力は無限だ、と教えてくれた人だった。