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 そい じょ 

川崎さとみのプライベートブログです。 

天野氏:原子力にイエス、核拡散にノー

 

【ウィーンIDN】原子力という言葉は、クリーン・エネルギーを主唱している者にとって禁句である。従って、重要な非化石エネルギー源として原子力を擁護するにはちょっとした勇気を要する。

日本のベテラン外交官である天野之弥氏が、国際原子力機関(IAEA)の事務局長職について7日後の12月9日にやろうとしたのは、まさにこのことであった。


天野氏は、151加盟国の代表に対して、原子力は「地球温暖化の影響を軽減する安定的でクリーンなエネルギー源としてますます受け入れられるようになっている。」と演説した。

この発言がなされたのは、デンマークの首都コペンハーゲンで気候変動に関する歴史的な国際会議が開催される2日前のことで、途上国・新興国が、先進国と角を突き合せんとしているところであった。

「多くの加盟国が、新しい原子力計画の開始、あるいは既存計画の拡張を非常に重視していることを表明しています。」「原子力新興国のニーズに対応するため、IAEAは活動の焦点をかなりの程度変えてきました。これまでの成果を生かし、できるだけ現実的で、受け手国の役に立つように、能力構築(キャパシティ・ビルディング)などの分野で支援を行っていきたいと考えています。」と、天野氏は語った。

さらに天野氏は、「私の希望は、IAEAの活動によって、加盟国が原子力を導入する道への明確な前進を4年以内に実感し始められるようにすることです。」とも述べた。

こうした発言は時代遅れのものに聞こえるかもしれない。しかし、IAEAの新事務局長がここで示しているのは、中期的に力を入れようとしている分野の見取り図であり、そこには、国連の一部として「平和のための原子力」を実現すべく1957年に設立されたIAEAの理念が見据えられている。

米国が広島・長崎に投下した原子爆弾の惨禍を繰り返すことなく、人類の福利のために原子力を利用する支援をするというのがIAEAの任務である。

IAEAは、核不拡散を推進し、核の安全とセキュリティを高めるために活動している。加盟国が「原子力技術の適用を通じて、エネルギー需要を満たし、気候変動への懸念に対応し、食料安全保障と清潔な水を確保し、医療サービスを改善する」ことを支援する役割も担っている。

天野氏は加盟国代表に対して、「原子力科学技術の利点を広めていくIAEAの技術協力プログラムは、すべての加盟国にとって重要です。私は、技術協力に焦点をあて、加盟国のニーズをより効果的に満たすようにしたいと考えています。」と演説した。

この点で優先されるのは、原子力科学技術に関する専門能力を各国が確立するのを支援することになるだろう。

天野氏は、初年度はガン征圧に力を入れるとの計画を明らかにした。この計画に関する成果を視察するために、最初の公式訪問地としてナイジェリアに向かう予定である。

また1月には、ダボスでの「世界経済フォーラム」に出席する機会を利用して、世界的なガン拡大の問題に注目を集めることをねらう。さらに9月の「IAEA科学フォーラム」ではガン問題を主要に取り上げる予定である。

天野氏は、核不拡散の分野における自身の任務は、保障措置協定が締結・完全履行されるようにすること、加盟国に事実に基づく客観的なデータと分析を提供すること、国連安保理IAEA理事会の関連決議に従って行動することだと考えている。

「追加議定書を発効させ履行することは、原子力を平和利用に限ろうとするIAEAの活動に対して、非常に重要な意味を持ちます。事務局長としての任期の早い段階で、追加議定書の締結国(現在91カ国:IPSJ)を100カ国の大台に乗せたいと考えています。」と天野氏は語った。
天野氏は、米露両国による核兵器削減の努力を歓迎し、戦略核兵器削減条約(START)の後継条約に関する交渉の進展に満足感を示した。

また天野氏は、「2010年には、来年5月の核不拡散条約(NPT)運用検討会議の成功や、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効、兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の策定協議開始をそれぞれ期待している。」と発言した。

この関連で、天野氏は、日豪両政府の肝いりで始まった「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」(ICNND)の報告書を読むことを楽しみにしていると述べた。ICNNDは10月18日から20日にかけて広島で4回目の会合を開催した。しかし、「同委員会は『核兵器なき世界』という目標から外れていってしまっているのではないか」との市民団体からの強い批判にさらされている。

翻訳=IPS Japan浅霧勝浩
 

 

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 今回の事故に対するIAEAの評価は「5」、国際社会の専門家の評価はすでに「6」、「6.5」である。

「問題の重大性を過小評価」 専門家は日本に核警戒レベルの引き上げと退避地域の拡大を迫る

日本の当局者は福島第一原発の原子炉冷却作業を急いでいますが危機は増大しています。損傷した原発の警戒レベルは今日、「4」からスリーマイル島事故と同等の「5」に引き上げられましたが、この決定に多くの核専門家は憤慨しています。「われわれの専門家はレベルはすでに『6.5』で、さらに『7』へと悪化している。これはチェルノブイリと同じレベルだ」と東京の原子力資料情報室のフィリップ・ホワイトは言います。福島原発放射線被ばくによる長期的な健康被害について、社会的責任を果たすための医師団(Physicians for Social Responsibility)のアイラ・ヘルファンド博士にも話を聞きましょう。

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