そい じょ 

川崎さとみのプライベートブログです。 

続3

 日本は今 早朝だが、こちらは良い頃加減の夜。
やっと落ち着けた感があるので、もう一日分、更新できなかった出来事等、書いてから寝るとしよう。

 サラマンカを出発して、サモラ→ベナベンテ→アストルガまでは調子が良かった。
70km近い長距離とはいえ、殆どが平地だったから…、巡礼路の厳しさを思い知ったのは、アストルガを出た後のこと。

 登り、登り、また登り…、ええい!何処まで登るんじゃい!って程、登りが続く。山梨に行った時のことを思い出した。あの時も、そうとは知らずに山登りしていたのね、私。

ある分岐点で、又もやGARMIN君が、怪しい指示を出して来た。
そこに至るまでの街道の向きからして、絶対、左だと思うのだが、右を指している。一応、右も同じ位の道幅で、舗装もされているのだが…、さて…?

 こんな時は、地元の人に聞くのが一番良い。近くで家を建てている職人さん達を発見。
「済みません、ちょっと教えて頂けますか?コンポステラへの道は、こちらで良いですか?」
「えーーーっと、ねえ、お前判る?」と同僚に尋ねる職人Aさん、しかし、答えてくれたのは職人Bさんでは無かった。

 5mほど先の道端で、日焼け止めクリームを塗っている自転車乗り(後にルイス君と判明)が、「いいんだよこの道で、僕らも行くところ、ほら少し先に、連れがいるだろ?」
なるほど、更に10mほど先の木陰でもう1人、待ってる自転車乗り(ペドロ)が居る。…じゃあ、大丈夫かな…。
「これは El camino de Santiago なの?」「いや、違うけどこっちの方が近道なんだ、今、近くで食事をしたら、そこで教えてくれたんだ」「そうなんだ」なんて話しながら進むと、ほんの50m位行った所で、舗装が切れているではないか!駄目だこりゃ!

 「No!私は戻るわ、だって見てよ私の自転車とタイヤを!こんなに細くて、オフロード仕様ではないの。この道は無理。どうぞ、私に構わずお二人で行って頂戴、じゃね!」さっさと引き返すつもりになった私を、二人して引き留める。

「大丈夫、大丈夫。これは、せいぜい300mも続かない。担くか押すかしててもこっちの方が近くて楽、一緒に行こう」
「本当?」「ホント、ホント、さあ行こう」「…了解」ルナ号には惨すぎる道なので、勿論押し歩きで行く。……だが、それは“せいぜい300m” じゃあ無かった。

 彼らはオフロードのタイヤなので、ガンガン行ってしまう。いや、置いていかれるのは良いんだけどね。この岩石だらけの登り道がいつ終わるのか、ぜひ教えて頂きたかったな…。

 GARMINは、完全に〈来た道を引き返せ〉の矢印出しているし…。もともと、コイツ(GARMIN)が、この方向に誘ったんでしょうが…。

…と、憤りが程よく込み上げてきた辺りで、先行中のペドロが戻ってきた。?

「おい、俺ら間違えたかも、さっきすぐ横をトラックが走ってるの見えたから、街道との接点は、もう少し手前にあったんだ」…って、おい!そんな接点、私は見なかったわよ!しかも、もう1km程は来たと思うのに、今更戻るのは嫌だ。

 その時、進行方向から車が降りてきた。
GARMINの地図を少し拡大してみると、もう少し先に街道との接点がありそうだ。

「車が降りて来てるってことは、きっとこの上に街道があるのよ。私は戻らない、大丈夫、さあ、行くわよ」「了解ー」今度は、こっちがお尻を叩く番になった。

 とにかくヒドイ石ころ道で、登りもキツイ。二人も遂に押し歩きになってしまっている。
「パンクに気を付けろよー」「頑張れー」と声を掛け合って進む。

 やがて私はすっかり押し歩きに疲れ、かつ飽きて、プッチンと開き直る自分を感じた。
もう、やだ!歩きたくない! ギアを軽めにして…よし乗るぞ!

「これはマウンテンのギアを付けてる訳だから、ちょっとやそっとじゃ、外れません」と、和田サイクルさんの言葉を思い出し、頑張れ!と自分を励ます。

 タイヤが岩で滑ってバランスを崩し、何度も足を着いてしまうのだけれど、その内、コツを掴むことが出来た。ああ、そうか!サドルに乗るから足元に力が入らないんだ。超ゆっくりの立ち漕ぎで、進めば何とかなるかも…、バランス、バランス、踊りと同じ、あら面白いじゃない!

 多分、1km半か2kmほどの“近道”だったのだろうか?(たとえ街道の方が3kmあっても、絶対、そちらが速かったと思うが…) ともあれ無事に街道へ戻った。

ゼイッゼイッ!3人とも妙にハイで笑いが止まらない。
「ところで二人はどこの人なの?」「マドリッド
「君はどこから来たの」「日本」「そんなの見れば判るよ、日本から自転車じゃ来れないだろ、どこから巡礼路を出発して来たのさ?」「ああ、そうゆうこと、サラマンカから。最初、マドリッドの空港について、アビラ、サラマンカへは列車で」
「いい自転車だね」「有難う、日本製だよ」等、盛り上がって一緒に写真を撮った。

 そうして若者二人は風のように走り去り、初のオフロード体験で、まだ息が上がっている私は、ルナ号がパンクしてやしないかと点検するのだった。

そこに、もう1人、気合の入った中高年ライダー登場(多分、私と同世代) 
私達が抜け出して来た道へ進もうとする。

 「ああ、そちらは酷い道だから自転車は行かない方がいいです。街道の方が速いですよ」と声を掛けたら「いいんだ、俺はもう帰り路だから、同じ道は面白くない。それに俺の自転車はwサスなんだ」…なるほど失礼した。頑丈そうこの上ないオフロード仕様の自転車だった。
「どうぞ、ぜひ楽しんで下さい」「じゃあねー!」少年のような明るさで走り去る彼。

え、と長くなったので、ここで一度更新します。