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 そい じょ 

川崎さとみのプライベートブログです。 

Leónへ

 サンティアゴ・デ・コンポステラの宿を出る時、この旅で初めて自転車のライトを点けた。
夜道は絶対走らない、と決めていたから余分な荷物になったかと後悔していたが、何の、スペインは夜明けが遅いのだった。6:30過ぎでも、まだ真っ暗。

 珍しく定刻(6:45)に、列車は出た。乗務員から、自転車を一番後ろの車両に持って行くよう、指示される。成る程、そこには自転車専用の倉庫があった。

 検札に来た乗務員が“オウレンセ乗り換えのレオン迄だね?”と念を押すので、そうだと答えたら、オウレンセ到着の10分程前に“ 次の駅で乗り換えだよ”と、わざわざ知らせに来てくれた。何て親切なんだ!

 オウレンセでの乗継時間は5分、さっさと移動すべく、ホームを変えようと歩き出したら、先程の乗務員が飛んできた。“動かずにここで待っていれば、次の列車が同じホームにはいる”とのこと。ほう、私を見張っていたね。親切だ! 
この駅で丁度、夜明け。乗り換えの列車は、きっちり10分遅れで発車した。

 今度の列車はLeónが終着駅だったよなぁ、寝て行こうかしら?と思って乗務員(さっきと別の人)に確認すると、日によって終着駅が違う。ははは、ま、いっか4時間はあるし。

 この乗務員さん(後にカルロスと判明)は、自分も自転車にのっているんだ。とルナ号をやたら褒めてくれる。ここにも自転車好きが居た。ひとしきり話が弾む。彼、業務中だが客は少ない。

 さて実はこのルート、絶対に寝てはいけないほど、車窓からの景色が綺麗なのだった。
山の中を、湖や川に沿って線路が走っている。
マドリッドからアビラやサラマンカに向かった時の、単調な乾いた大地とは大違い。
本当にお勧め! 

 その後、車内の自販機で飲み物を買おうとお金を入れたが反応しない。しまった!スペインの自販機は高確率で壊れている、という常識をすっかり忘れていた。油断したなぁ。ま、いっか2ユーロは勉強代。でも、一応、乗務員が来たので伝えてみる。
 彼は、色々試してくれるが、自販機は全く動かない。
「いいんです。ちょっとのお金だし…、どうもありがとう」と、かえって恐縮してしまった。

 しかし、彼はそのままにせず、自分の携帯で自販機会社に電話してくれたのだ。
担当者に「私は、○○列車の乗務員だが、そちらの○○番の自販機が壊れていて、お金が戻ってこないお客さんがいる。しかも外国人なんだ。どうしますか?」
結局、担当者に私のメールアドレスを伝えて、後で会社から連絡が来ることになった。
たった2ユーロ!?振り込んでくれるのかしら?

 ともあれ、ありがとう!と握手をし、彼の名前はカルロスと聞いた。
カルロスは少し先の駅で乗務員交代で降りたのだが、その際も、「僕はここでおりるんだ。では、いい旅をね」と…、列車が動くのを手を振って見送ってくれた。何ていい人なんだ!

 ルナ号を連れていることで、通り過ぎるだけの人達と、少しだけ会話が増える。
会話が増えた分だけ、ほんの少しだが、相手に近づける。

 León 到着まで、後一時間。
陽が高くなってきた。