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 そい じょ 

川崎さとみのプライベートブログです。 

Madridへ

LeónからMadridに向かう列車に乗った。
ここから約4時間半の旅、定刻になっても発車しないが(勿論) さて、何時に着くだろうか?
あ…、うごいた!7分遅れなら、上等。

さて、Leónの街ではちょっと残念な人に会ったので、書いておきたい。
到着した日の夕方、街をぐるぐるサイクリングして、またカテドラル(一番の観光スポット)に、戻ってきたら、ある女性に声を掛けられた。

“ねえ、スペイン語は話せる?” 二十代かな、若くて金髪。
“ええ、すこしなら…”
“あのね、旅行中なんだけど、リュックを盗まれてしまって、中にパスポートもお金も全て入っていたから、何もかも失ってとても困っているの。5ユーロほど、助けて貰えないかしら?”
“あらま、それは大変、もう警察には行った?”
“ええ、勿論、でもリュックが戻る訳じゃないから”
“どこに泊まっているの?”
“駅で寝ている、トイレもあるし…友達と一緒で、彼女はお金やパスポートは身につけていたけど、私は全部、リュックに入れていたの”
“それは、とてもお気の毒に思うけれど…、ごめんなさい、今、お金は全部ホテルに置いて出てきているのよ”
“ああ、そうなの、じゃあね” あっさり行ってしまった。次に声を掛ける人を探す風でもなく。
周辺に、日本人と思しき人種は、私しか居なかった。

つまり、これは想像ではあるが、日本人狙いのちょっとした「恵んでくれ詐欺」であろう。
そう考える根拠は
① ネイティブのスペイン語である。パスポート云々というなら、スペイン語圏の外国人かも知れないが、それは考えにくい。観光旅行するような経済的余裕のあるスペイン語圏の国は少ないし、彼らのスペイン語は特徴があるので判る。外見上からも、明らかにスペイン人だと思う。

②百歩譲って、外国人旅行者だとしよう。彼ら、バックパッカーのリュックというのは、とてつもなく大きく重い。とても、引ったくって走れるレベルのものではないし、Leónの街はとても治安が良い、そちこちに警官も立っているので、一瞬の盗難は考えにくい。

③本当に盗まれたとするなら、人気のない路上に、相当時間、放置していたのだろう。友人と二人連れというのに、どちらかが荷物を見張ることもないなど…、そんな危機感のないことが出来る人種は、世界中で日本人くらいしか居ない。まして貴重品をリュックに入れたまま、など、あり得ないことである。

結論、多分彼女は、この手段で少しばかりスペイン語が話せる日本人から、善意の施しをしてもらったことがあるのだ。その人は気前が良かったかも知れない。5ユーロと言わず、20ユーロ札をサラッと出す人もいそうだ。他の外国人旅行者なら、絶対に相手にしないであろうが…。

スペインの失業率は、とても高い。Madridなど都市部で30%、アンダルシアでは50%とも聞いた。高学歴でも就職先がないから、大学に残って勉強を続けている、という状況など、今の日本とも重なる。

その原因の1つが無駄に公務員が多すぎる、と聞いたことがある。
確かに、公的な施設で働いている人は、すごく多い。
そして、二人もいれば出来るでしょう、というような仕事を五人ががりで、ダラダラやっている。
日本人の公務員は、末端になるほど雑用が多くて忙しく働いているように私には見えるが、スペインの公務員は末端になるほど、責任感が薄くてダラけている感じだ。

さて、話を戻す。もし、あなた(日本人)が旅先で、持ち物を全て失って途方にくれたとしても、あえて外国人旅行者を選んで、お金をねだるということはあるだろうか?
日本では、おそらく無いと思う。
言葉の通じる同国人の方が、遥かに助けてくれる確率が高いからだ。

もし彼女が、本当に荷物を丸ごと盗まれたスペイン人旅行者だとして、それを行きずりの外国人に声を掛けるしか、手だてがないと考えたのなら、それはそれで残念すぎる国だろう。


話は変わって、例の壊れていた自販機の件。
昨夜、メールをチェックしたら、その会社から届いていた。すごく変な邦訳までついて(多分、自動翻訳機を通したのだろう)あれはひどい、笑えるほど意味不明。

そして、やはり2ユーロを銀行振込みで返金するので、口座番号と電話番号を知らせてくれ、とのこと。
『外国人旅行者ゆえ、スペイン国内の銀行口座や電話番号を持っていないので、たった2ユーロのこと、御社の誠意ある対応は了解したから、振込んで頂くには及ばないです。ありがとう』と返信して終了した。


あ、次の駅はアビラだ。何だか懐かしいなあ。やはり列車は速い。後、一時間少しでマドリッドだ。

マドリッドまで戻れば、もう旅は終わったようなもの。
最後に3泊も予定に組んだのは、美術館巡りと本をゆっくり探したかったから。
もし、欲しい本が安く沢山見つかったら、郵送するつもりでいるが、スペインは本が高い!
本を読む人口が日本に比べると圧倒的に少ないと聞いた。
日本も読書離れを指摘されているが、大手古書店が林立しているのを見ると、本に対する需要の差は歴然だ。

では、スペイン人の貧しい読書家や、学生達はどうしているか?
公立の図書館が、滅茶苦茶充実しているのである。
各種専門書から、新聞、雑誌、CD、DVD等まで何でも揃っている。
かなり小さな村にも、図書館は立派なのがあったから、これは素晴らしいと思った。

それから、美術館・博物館の多さと質の高さ。
これは、私が観光スポットなっている街ばかり巡っているせいもあると思うが、例えば東西は上石神井から武蔵関、南北を青梅街道から新青梅街道に区切った位の狭い地域に、そういった施設が少なくとも3から5箇所はある。
ボタンを触るだけで、解説の流れるオウディオが設備されているのは当たり前、英語とヨーロッパ各国の言語は大体選べる。

日本もかつて観光に力を入れようとしていたが、余りにも高い交通費と宿泊費がその足枷になっていると思う。
今回の私のように、宿泊費込みで一日約50ユーロ: (今なら5000円強 )の旅は、日本ならどの位動けるものだろうか。